解答5.21
荒木邦夫, 大坪孝至, 日本ゴム協会誌, 34 (8), 616-619 (1961)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/34/8/34_8_616/_article/-char/ja
大西章義, マテリアルライフ, 2 (4), 213-220 (1990)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mls1989/2/4/2_4_213/_article/-char/ja
調色以外でのCBの良い効果は、以下の点です。
・紫外線劣化の抑制(耐候性の向上)、CB粒子が強力な紫外線吸収剤および光安定剤として機能します。高エネルギーの紫外線を吸収して熱エネルギーに変換・放散するほか、光酸化反応の過程で生じるラジカルを捕獲することで、ポリマー主鎖の切断や劣化を抑制します。
・導電性および静電気防止性の付与、ポリマーマトリックス中でCB粒子同士が接触または接近し、導電パス(パーコレーションネットワーク)が形成されるためです。電子がこのネットワークを移動できるようになり、電気抵抗率が劇的に低下します。
・機械的強度の向上(補強効果)、自動車のタイヤが黒い理由です。バウンドラバーと言われる現象があり、CB表面とポリマー鎖との間に強固な物理的・化学的相互作用が生じるためです。応力が加わった際にポリマー鎖の滑りを適度に制限し、局所的な応力集中を分散させることで補強効果をもたらします。
一方、CBは、ポリプロピレンの耐熱老化性を著しく低下させます。この理由はいまだにわからず、諸説が矛盾を持って乱立しています。未解決課題です。
・ラジカル説、CB自体はラジカルを含むため、自動酸化反応を開始するという考えです。しかし、電気を流すCBは上記のように電子を非局在化して安定化させるという説もあります。
・添加剤吸着説、論文において様々な吸着が報告されています。工業的には添加剤の残量の分析が行われています。添加剤が検出されなくなるという結果も、添加剤は存在するという結果もあります。
・残留金属説、1960年頃の廃油炊きのCBの時代には有力な説でしたが、最近のファーネスブラックでは残留金属が少ないという考え方と、微量な金属が触媒作用しているという論文があります。
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