解答2.31
小沢三四郎, 高分子, 9 (10), 914-916 (1960)
馬場和男, 長谷川周重, 特開昭48-092456 (公開1973-11-30)
正井敬人, 清造剛, 繊維学会誌, 47 (3), 141-147 (1991)
C. TZOGANAKIS, J. VLACHOPOULOS, and A. E. HAMIELEC, Polym. Eng. Sci., 28 (3), 170 (1988)
1957年にPPが工業化されたときに、基本となったグレードは現在の視点では分子量が高く、溶融粘度が高かった。また、第二世代(ソルベー)触媒とスラリー法装置の時代までは、分子量分布(Mw/Mn)が10程度と広かった。そこで、繊維を溶融紡糸することは難しかった。国産化された1960年代の前半には、有機過酸化物によるPPの溶融粘度の調整が研究されていた。初期にはThermal crackingと言われたが、1980年代にControlled rheology PPという用語になった。このPost reactor法は現在でも量産で使われている。
リアクターで分子量を調整する場合、連鎖移動剤(水素)を使う。水素は気体なので、撹拌槽の場合、リアクターの耐圧能力が問題になる。液体を流すチューブラーリアクターの場合、液体に溶け込んだ水素が気化すると液体の循環ができず、最悪の場合チューブがポリマーで閉塞する。水素を使う場合も有機過酸化物を使う場合も高流動PPの製造コストを増大させる。そこで現在では世界中で高流動PPを入手することは困難になっている。
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