解答1.5 どこのPPメーカーでも製造できるグレードが汎用です。複数メーカーから購買して価格競争させる考えもありますし、緊急事態のコンティンジェンシープランとして一つの用途に複数のPPを使用できるようにすることも有ります。これに対して、特定のメーカーでしか製造していない特殊グレードがあります。
中空成形やシート成形向けの高張力PPは、世界でBorealis社と日本ポリプロの二社しか製造していません。MFRが2000程度のメルトブローン用のPPは、各地域で1社程度しか製造していません。同様に、コンパウンドのベース材となる高結晶PPのメーカーも限られています。これは製造設設備のある会社でしか作れないのです。
特殊設備としては、プロピレンの純度を上げる精留塔、複数の触媒を使うための触媒槽、触媒の作用を高める前重合槽、分子量分布を制御する脱気設備・多段重合システム・耐圧能力、添加剤フィーダー数、造粒機の能力などがあります。皮肉なことに、古い設備程能力が高く、最新の設備は、コスト優先で、汎用PPしか製造できないようになっています。
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