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支部長挨拶

  プラスチックス材料および成形加工の次世代技術者の育成

我々の身の回りには,多くのプラスチックなどの高分子材料があり,様々な最先端デバイスの基材や精密部位として数多く利用されています。しかしながら,これら材料・素形材の「ものづくり」は,中国,東南アジアを中心とした人件費の安い地域に製造拠点が移り,最近では,開発部署も日本から離れようとしています。これらの「ものづくり」開発・研究は,「泥臭い」イメージもあります。しかしながら,機能デバイスの基礎・応用研究などの最先端研究とは異なる反面,今後の最先端部材を支えるプロセス開発などは重要な基盤研究でもあります。日本の最も得意とする,緻密でこだわりの加工技術,素形材・部材の開発研究では,低環境負荷,省エネルギー,低排出ガスを意識した高付加価値「ものづくり」が必要不可欠になっています。現在,日本の工業産業を支えるものは自動車といって過言ではありません。ここでは,軽量化による燃費向上,コストダウンを目的に,プラスチック材料の高機能・高性能化と高付加価値の成形加工技術の開発が進み,プラスチックの適用が拡大しています。さらに,薄肉化,熱制御,気密性向上,発泡化,難燃化技術などの技術開発が重要となっております。このような新たな「ものづくり」も,「物」と「者」が一つになって,育成・作り続けていかないと,そこに新たな技術や産業は生まれません。プラスチックスおよび成形加工の業界は大変厳しい時代である,と良くお聞きします。少しでも,成形加工技術者が増えるためには,プラスチック成形技術が身近なものであり,プラスチック産業が若手技術者・研究者に魅力的なものであるかが重要であります。プラスチックに対するものづくりの低迷を脱却するために,小職が勤める山形大学米沢キャンパスに「グリーンマテリアル成形加工研究センター」が完成し,次世代のプラスチック材料,その成形加工に関する研究をサポートし,日本のものづくりの教育・研究機関を目指しています。
SPE日本支部は,高度なプラスチック技術を保有する会員で構成され,材料,金型,成形加工,成形品評価や市場分析などのプラスチック関連分野において,技術発表会や専門家を招いての講演会を行っています。これらを通じて,世界でトップの技術開発とそれを適用した競争力のある製品の実現に貢献することを目的としています。さらに,SPE本部との強い連携のもと国際組織の強みを生かした支部活動も推進しています。プラスチックに関わる皆様のSPE日本支部への参加と積極的な活動をお待ちしています。

 

SPE日本支部長 伊藤 浩志